2014年12月25日
患者様よりお手紙をいただきました
歯の大切さは、よく云われていることですし、それなりの理解はしているつもりでいました。近頃のように、歯科の審美治療ということが一般的にはなかった時代、人の顔の印象を左右する口元や歯並び等と、審美面からも歯は大切でありました。咀嚼機能としての歯の、更なる大切さを実感したのは入院時でした。
数年前、思いがけない病気で余儀なく入院生活を2週間程しました。3、4日の絶食後、重湯から始まり、おかゆ、副菜も少しずつついてと、食べるものが増えていく中で、おかゆの時から「よく噛んで」「30回以上噛んで下さい」と、いつも云われました。
よく噛んで食べる習慣がなく、すぐにのみ込んでしまっていたので、カウントしながら懸命に咀嚼に励むことになりましたが、結構疲れることでした。
噛むことにも体力がいることを、病身になって初めて知りました。しっかりと咀嚼するには、健全な歯がなくてはならないこと、噛める歯を保持していることが大事であることを、しみじみと実感しました。
ベッドに横たわっている犬の脆弱な心身に、食物を自分の歯でしっかりと噛むことの感触が確かさ、手応えとなって、回復への最初の兆しとなったように思えました。
病人や老齢になった時に、殊更に歯の重要性を痛感するのではないでしょうか!